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本好きな子に育てるには

今日は市立図書館が主催する「本好きな子に育てるには」という保育付講座に行きました。
保育が満員で私はキャンセル待ち3番目だったのですが、1番と2番の子が双子ちゃんということで、キャンセル1つ出て、私が繰り上がりました。双子ちゃんとそのお母さんごめんね。

ということで、せっかくいただいたチャンスで学んだことを多くの方とシェアできればと思い、ブログに記録することにしました。
記録と分かち合いの価値の十分ある内容でした。

私自身、あまり本が好きじゃなくて、特に小説になると「作り話じゃん」と思ってしまい、読むことが時間の無駄のように思えてしまったりして、これまでの人生での読書量って、他の人に比べたら少ない方じゃないかと思っています。それがコンプレックスでもあります。でも本の虫、みたいなのもどうかと思っています。Eliは今のところ絵本は大好きですが、これからも私のようにならず、本と親しんでほしいと願っています。それで、この講座に申し込んでみました。

講師は湯沢朱実さんという方で、絵本の翻訳も数冊なさったり、選書をされたりしている方です。

これから書くことは私の心に留まった事柄の箇条書きです。

★本を読まなければ良い子にならないわけではない。親の務めは、この世には楽しいことがたくさんあるということを子供に伝えること。絵本はそのうちの1つというだけ。

★子供にとって良い本とは、子供が自由な心で楽しめる本。大人の目で道徳的に良いとか、そういう内容ではない。子供が「もう一回読んで」と言うことが大切。この言葉に何度でも答えること。

★最近は「0,1,2」という年齢を対象にした本がたくさん出ていて、図書館にはそういう棚が必ずあるが、実際は0歳に本は必要ない。まずは親とのふれあいが大切。本が友達ではだめ。

★自分の話を聞いてもらう経験のない子は、他人の話を聞く容量が備わらない。

★社会は「標準」といった見方でしか人を見ない。子供の成長に合わせられるのは親だけ。

★現代は「かわいい」ということに価値を置きすぎている。絵本の絵も「かわいい」のが好まれるが、そうとは限らない。例「三匹のやぎのがらがらどん」などは絵が怖く、話が残酷だが、子供はとても好きで、「お父さんて強いんだ」と結論付け満足する。

★寝る前に読み聞かせするとか、時間を決めなくてもいい。親子ともに時間に余裕があるときに読めばいい。

★子供が幼稚園や学校から帰ってきて、親として「今日は楽しくないことがあったんだな」と感じるとき、本を読んであげると良い。好きなストーリーを好きなお母さんの声で読んでもらうと、本当に不思議だが子供たちは元気を取り戻す。これはストーリーの力。

★自分が好きな本をすぐに列挙できる子は、読んでいる本の数は少ないが同じものを何度も読んでいるような子で、不思議とそういう子は、他の子にも適切な本(自分が読んだことがない本でも)を薦めることができる。

★年齢が高く(4,5歳)なると、長いお話も聞けるようになるが、お母さんがたどたどしく読んだのではストーリーを楽しめないので、ちゃんと練習すること。

★おうちで読むなら、好きな本なら何でも良い(大勢を対象にした読み聞かせと比較して)。何回でも読んであげていいし、好きなページだけでもいい。

★読み終わった後で、「楽しかった?」と感想を訊いたり、復習をしてはいけない。

★子供が好きな絵本は大きくなっても処分したりせずにそばに置いてあげるほうが良い。

★育児書をたくさん読むより、子供の良書をたくさん読んだ方が良い。

★お母さんが読んでおくと良い本:「かぜはどこにいくの」、「まんげつのよるまでまちなさい」、「はなのすきなうし」、「ゆうかんな女の子ラモーナ」、「わたしが子供だったころ」

最後に大変印象深く、目頭が熱くなったのは、湯沢先生が30年来主催する家庭文庫(蔵書2000冊ほど)で、ずっと一番人気の本は、あまりメディアには取り上げられたりしないものだけど、「きょうはなんのひ?」というものだそうです。この本は、女の子がお父さんとお母さんの結婚記念日を祝おうと一生懸命工夫してプレゼントを準備し、お父さんは女の子に会社の同僚の家で生まれた子犬を持って帰ってくる、という平凡な家庭の風景。このお話が子供たちに好まれている理由は、子供が望む幸せというのは、お父さんとお母さんが仲良くて、お父さんとお母さんが自分を可愛がってくれるということ。本当にそうだなと思います。私も子供のころ両親が喧嘩していると、なぜかわからないけどものすごい不安が襲ってきて、必ず泣いていたと記憶しています。

今年5月5日のほぼ日手帳の糸井重里さんの一言を以前も紹介したと思いますが、そのことが思い出されました。
「ぼくは、ほとんどすべてのこどもの『願い』を、とっくの昔から、よく知っています。時代が変わろうが、どこの家のこどもだろうが、それはみんな同じです。おもちゃがほしいでも、おいしいものが食べたいでも、強くなりたいでもないです。『おとうさんとおかあさんが、仲よくいられますように』なのです。断言します。それ以外のどんな願いも、その願いの上に積み上げるものです。」

最近は離婚する人も多いし、もちろんいろんな理由があって、離婚する人たちもそれぞれに苦しんで出した結果だけど、やっぱり大人はどこかで離婚を正当化して「こうするしかなかった」と気持ちを処理できるけど、子供はその正当化ができない、なぜ大好きなお父さんとお母さんが別れないといけないのかが理解できない、という苦しみとともに生きなければならず、でも、一緒に暮らすほうの親に気を使って「傷ついてないふり」をしなければならないし、やはり一番かわいそうですよね。

ちょっと私自身の考えが混じりましたが、湯沢先生は子供が望んでいる幸せって、こんなに平凡なものなのに、私たち親は子供に望みすぎていないでしょうか、と締めくくられました。

本好きにしたい、ということも、親の勝手かもしれません。絵本を読む活動をしている湯沢先生ご自身が、「本なんて、暇があれば読もうか、というようなものでいいんですよ。仕事なら別ですけど。本好きだからって死にもの狂いに読んでる人はいないでしょう」というスタンスで、私はなんとなくほっとしました。

いつものことながらまとまっていませんが、以上が私が今日学んだこと、そして感じたことでした。今日はEliも保育室で最初はべそかいたものの、けっこう大丈夫だったみたいで、よかったです。お友達に「電車かして」って言った、と私に教えてくれました(笑)
by martha2nd | 2011-03-04 21:52 | 息子の誕生後

クリスチャン。在宅翻訳やってます。夫と文鳥との生活に奇跡的な誕生をした息子も加わり奮闘しています。


by martha2nd