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祖母退院

一時危篤に近い状態になり、
葬儀用の写真まで選んだ祖母ですが、
数日前退院できたと聞きました。
とはいえ、もう92才ですし、今回のことでだいぶ体力も落ちてしまったと思うので、
近いうちに会いに行きたいとは思っております。
この時期子供の保育園行事など(保育参観とか)、
いろいろ重なって、うまく日程を決めきれない私です。

さて、先日の日曜日、私はパストラルケアの交流会に行きました。
パストラルケアを学ばれてすでに病院などで活躍されている方々や
私のように現在研修を受けている人たちが集まる会です。
この研修センターの理事、K神父様も、九州から来てお話ししてくださいました。
80代のドイツ人の方です。私のこと、名前も憶えていてくださって感激でした。

私は母、息子、祖母のおかげで、自分や家族が健康なら医療関係者でもないかぎり
あまり出入りしないようなところに出入りする経験を神様に頂いたと思います。
たとえば、積極的な癌治療を行う大学病院、未熟児のケアをするNICU、
突然重篤な様態になった人が運ばれる救命救急センター。

私は最初、92才になる祖母を救命救急センターに見舞ったとき、
搬送先としてここが受け入れてくれたことも導きだとは思いましたが、
そして本当にその名の通り、救命してくださったことに大感謝なのですが、
祖母の心やたましいの平安とか考えたときに、救命救急センターの環境は、
かなりつらいものがあるなと思いました。

そこはテレビの「救命病棟24時」で見たような、ベッドが2例にずらりと並び、
それぞれのベッドの間はカーテンが一応ありますが、
患者さんはみんな意識がはっきりしないような人たちなので、
カーテンは半分くらいしか引いてありません。
そうしないと、医療スタッフも素早く患者さんから患者さんへ動けないのだと思います。

患者さんたちは苦しくて目を閉じたままの人が多く、
体も動かないので、耳だけが聞こえているような状態なのですが、
聞こえてくる音は、医療スタッフの忙しい足音や、
医療機器やリネンのワゴンがキャスターで動かされる音、
そしてバイタルのモニターのアラームなど、
とにかく癒されるような音は何も聞こえないのです。

私は祖母に何もしてあげられなくても横に座って歌を歌ってあげたりしたかったのですが、
そこでは面会は10分までとなっていて、ゆっくり歌を歌うこともできませんでした。

パストラルケアの学びで、歌というのは本当に人の魂にも届くものだと知り、
それはもちろん聞き馴染んだ、日本の歌、文部省唱歌のようなものが良いのですが、
祖母には「みかんの花咲く丘」を1回歌ってあげただけでした。
今度会いに行ったとき一緒にたくさん歌えるように、もっと童謡や唱歌のレパートリーを増やしたいと思います。

ところで、K神父が私の経験に非常にタイムリーなお話しをされました。
私は、救命救急センターでお見舞いの時間が10分しかないこと、
非常に近い家族しか入れないことをもどかしく思いました。
しかしドイツでは違うのだそうです。
ドイツではICUや救命にいる患者さんなどは特にたましいのケアが必要であることが理解されていて、
家族だけでなく司祭や牧師が枕元で祈ったり、そのために部屋でろうそくを灯したりすることも、
許されているのだそうです。しかも何時間も祈っていていいのだそうです。

また、患者さんも寝たきりならともかく、大部屋などでプライバシーが少なく、
一人になって心を静めたいときには、静まるための部屋が用意されているのだそうです。

日本の病院でも、患者さんの心やたましいのケアに、もっと関心を持って下さるところが
増えてくれたら嬉しく思います。そのために祈り、また、できることをしていきたいと思います。
K神父は「自分で道を作ってください」とおっしゃっていました。
by martha2nd | 2013-02-15 13:57 | 実家関連(熊本、福島)

クリスチャン。在宅翻訳やってます。夫と文鳥との生活に奇跡的な誕生をした息子も加わり奮闘しています。


by martha2nd