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「本好きな子供に育てるには」講座2回目

市の図書館で企画して毎年この時期に行っている「本好きな子供に育てるには」というような講座があり、子供の年齢別に3クラスくらいに別れています。去年は入門的な講座に参加し、このようなブログ記事にまとめていました。

去年のがとてもよかったので、今年も参加。今年は3-6歳くらいを対象にした絵本を紹介してくれる講座に出ました。この間、息子は保育に預けることができました(去年も)。講師は浅木尚美さんという児童文学と読み聞かせを研究している方でした。

以下、メモのまとめです。

なぜ読み聞かせが重要か。
1. ヒトの子供は生理的早産と言われ、馬や鹿のように生まれてすぐから自分で立ってエサを食べたりできず、生まれて少なくとも1年は世話をしてもらわないと死んでしまうような未熟な存在。読み聞かせはまるでカンガルーが赤ちゃんをポケットに入れているような絆、安心感、を与える。「あなたを愛しているよ、守っているよ」というメッセージとして子供に伝わる。この絆、安心感が、子供がこれから成長していくうえでの核となっていく。

2.イメージを創るのに役立つ。現代は既成のイメージにあふれている。イメージ創りに一番役に立つのは絵本を介さないストーリーテリング。伝聞。その次にイメージ作りに役立つのが絵本。2、3歳まではイメージ作りの材料を持っていないので、良質の絵本をたくさんよんであげることが大切。1冊面白い絵本に出会ったら、その作者に注目してみる。

「行って帰るストーリー」は児童に非常に満足感を与える。(例:「ちいさなねこ」いしいももこ)

L.H.スミスの「児童文学論」によれば、絵本の読み聞かせは親と子のコミュニケーション。子供には「成長したい」という本能的な願望があり、その本能に合致する内容の絵本であることが望ましい。

文字が読める子であっても、自分で読むより読み聞かせてもらったほうが想像力が膨らむ。(例:落語、ラジオドラマ)

3.自己肯定感を養うのに役立つ。
自己肯定感は3~7歳くらいまでに身に着けたい。日本人の悪い癖だが、謙遜でも、子供の前で他人に子供を悪く言ってはいけない。

自己肯定感=自分に自信があり、他の人のためにも何かできることをやってあげたいとう気持ち
一時「ほめて育てる」教育が流行ったが(特にアメリカ)、ただほめればよいというものではない。その子の努力に基づかない部分(容姿や親の業績など)をほめると、カンチガイして仮想有能感を持ってしまう。

重要なのは、その子が努力して、ちょっとだけ高いハードルを越えられたときにほめる!!

自己肯定感を育む絵本とは?
40~50年以上読み継がれているロングセラー絵本に多い。
最も良い例が「ぐりとぐら」。その他、「ぐるんぱのようちえん」「しょうぼうじどうしゃじぷた」「だるまちゃんとてんぐちゃん」など。
なぜ「ぐりとぐら」がこんなにもロングセラーで人気なのか?平和主義である。喧嘩がない。小さなのねずみが大きな卵、大きな調理器具を工夫して使って、おいしいカステラを作り、みんなで分ける。「小さな体で大きなものをなんとかする」のが子供たちの永遠の課題。


上記3点に基づき、絵本を選ぶ際に気を付けたいこと
(1)わかりやすい(起承転結がはっきりしている)
(2)子供が関心のあることを題材にしている
(3)エピソード、行動が具体的でスリルがある
(4)文章が耳に心地よい
(5)ユーモア、あそびのある本(例:「ひとまねこざる)
(6)子供たちにとって満足のいく結末か、子供たちの願望を満たしているか
(7)主人公が勝利する、何かを克服する、小さなハードルを越えるストーリー
by martha2nd | 2012-03-18 21:21 | 息子の誕生後

クリスチャン。在宅翻訳やってます。夫と文鳥との生活に奇跡的な誕生をした息子も加わり奮闘しています。


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